Raspberry Pi
Raspberryは、英国ラズベリーパイ財団が提供するラズベリーパイシリーズのモデルです。
Linuxが動作する安価なデスクトップPC並み性能と汎用入出力(GPIO)端子を備えた、手のひらサイズのボードに凝縮し、非常にコストパフォーマンスにも優れています。
趣味、教育はもちろん、業務用IoTシステムのプラットフォームとしても適用が可能です。
ここでは、モータ制御、ライトのON/OFF、センサー、読み上げなどの基本機能を試して見ます。
Raspberry Pi の主な仕様
比較項目 |
Raspberry Pi
2B |
Raspberry Pi
3B |
Raspberry Pi
3B+ |
Raspberry Pi
4B |
Raspberry Pi
Zero W |
Raspberry Pi
Zero WH |
Raspberry Pi
Zero 2W |
CPU |
900Mhz
クアッドコア |
1.2Ghz
クアッドコア |
1.4Ghz
クアッドコア |
1.5Ghz
クアッドコア |
1Ghz
シングルコア |
1Ghz
シングルコア |
1Ghz
クアッドコア |
メモリー |
1GB |
1GB |
1GB |
1~8GB |
512GB |
512GB |
512GB |
USB2 |
4 |
4 |
4 |
- |
1、MicroUSB |
1、MicroUSB |
1、MicroUSB |
USB3 |
なし |
なし |
なし |
2 |
なし |
なし |
なし |
有線LAN |
あり |
あり |
あり |
あり |
なし |
なし |
なし |
無線LAN |
なし |
あり |
あり |
あり |
あり |
あり |
あり |
Bluetooth |
なし |
あり |
あり |
あり |
あり |
あり |
あり |
映像入力 |
専用接続あり |
専用接続あり |
専用接続あり |
専用接続あり |
専用接続あり |
専用接続あり |
専用接続あり |
映像出力 |
HDMI |
HDMI |
HDMI |
HDMI |
MicroHDMI |
MicroHDMI |
MicroHDMI |
音声出力 |
3.5mmジャック、
HDMI |
3.5mmジャック、
HDMI |
3.5mmジャック、
HDMI |
3.5mmジャック、
HDMI |
MicroHDMI |
MicroHDMI |
MicroHDMI |
電源ソース |
MicroUSB、
GPIO |
MicroUSB、
GPIO |
MicroUSB、
GPIO |
Type-C、
GPIO |
MicroUSB、
GPIO |
MicroUSB、
GPIO |
MicroUSB、
GPIO |
消費電力 |
1.75w |
2.0w |
5.7w |
5.7w~ |
0.8w |
0.8w |
0.8w~ |
質量 |
45g |
45g |
45g |
45g |
9g |
9g |
9g |
大きさ |
85.6~56.5mm |
85.6~56.5mm |
85~56mm |
85~56mm |
65~30mm |
65~30mm |
65~30mm |
共通事項
- 低レベル周辺機器接続:GPIO40ピン
- ストレージ:マイクロSDカード
- 映像入力:専用カメラインターフェース (MIPI CSI-2) あり
- OS:Debian, Fedora, Arch Linux, RISC OS Ubuntu, (Windows 10 IoT Core(Raspberry
Pi Zeroは含まず))
Raspberry Pi Bシリーズ
Raspberry Pi Zeroシリーズ
OS(Raspbian)の設定
ラズパイにOSをインストールツール「Raspberry Pi Imager」を使います。ツールはラズベリーパイ財団のWebサイトからダウンロードできます。
Windows版とMac版、Ubuntu版が用意されています。
- ダウンロードした実行ファイルをダブルクリックするとインストーラーが起動します。
- インストールが終了したらRaspberry Pi Imagerを実行します。初期画面よりOSを選択し、
書き込むためmicroSDメモリカードを指定したら「WRITE」を選択します。 - 書き込み完了したmicroSDメモリカードをラズパイに入れて、ラズパイを起動します。
- 初期設定要求に従い国、言語、タイムゾーンの設定をします。
- ユーザー「Pi」のパスワードを設定します。
- スクリーンの設定、接続するWiFiのSSID、パスワードを設定します。
- ソフトウエアのアップデートをします。
Raspbian GNU/Linux 11 (bullseye)のインストールが完了します。
画面左上のRaspberry Piのロゴをクリックすると、メニューが表示されるので、「ログアウト」をクリックすると、
ダイアログボックスが表示されるので、「Reboot」「shatdown」の選択が出来ます。
リモート操作用(VNC-Viewer)の設定
VNCを使って、PC (パソコン) からRaspberry Pi(ラズパイ)にリモート接続するとディスプレイ、キーボード、マウスなしで
Raspberry Piを操作することができて運用の幅が広がって便利になります。
VNCサーバーの設定 (Raspberry Pi)
- スタートメニューから、「設定 - Raspberry Piの設定」をクリックすると設定ツールが起動します。
- 上部タブから「インターフェイス」を選択し、VNCの項目を「有効」にチェックして、「OK」をクリックします。
- デスクトップ右上にVNCサーバーのアイコンが出るので、クリックするとRaspberry PiのIPアドレスが表示されます。
これがVNC Viewerから接続する際のIPアドレスになります。
Raspberry PiのIPアドレスを固定する
通常、IPアドレスは自動的に割り振られていますが(DHCP機能)、たまにIPが変わってしまって接続できなくなることがありますので、
IPアドレスを固定の設定をします。
- ディスクトップ右上のwifiマークを右クリックして「Wireless & Wired Network Settings」を選択します。
- 設定画面が表示されるので、interfaceの右の選択ボックスをクリックして、インターフェースを選択します。
有線LANの場合は「eth0」、無線LANの場合は「wlan0」を選択します。 - 「Automatically configure empty options」のチェックを外し、IPv4 Address、Router、DNS Serversを設定し「Apply」、「Close」ボタンを押します。
- IPアドレスの変更を反映させるため、デスクトップ右上のネットワークアイコンをクリックし、「Turn OFF Wi-Fi」で一度無効化します。
- その後、再度ネットワークアイコンから「Turn On Wi-Fi」で接続し直します。有線の場合は有線接続をOFF/ONして下さい。
VNC Viewerのインストール (Windows)
接続元のPC(パソコン)にVNC Viewer(クライアント)ソフトをインストールします。今回はReal VNCのソフトを使用します。
- ダウンロードページからWindows用の「EXE x86/x64」を選択し、「Download VNC Viewer」をクリックします。
- インストーラーの指示によりインストールします。
- 初回起動時に、使用統計データを送りたくない場合は「Send anonymous usage data 〜」のチェックを外して「GOT IT」をクリックして画面を閉じます。
- メニューの「File -> New connection」をクリックすると詳細設定画面が表示されます。
VNC ServerにRaspberry PiのIPアドレスを、Nameに表示名を入力します。 - メイン画面にRaspberry Piが接続先として登録されました。接続を開始する時はアイコンをダブルクリックします。
- Raspberry Piのユーザー名とパスワードを入力します。ユーザー名のデフォルトは「pi」になっています。
Webブラウザからの遠隔制御(Webiopi)の設定
WebIOPiとはwebサーバの機能により、ブラウザからGPIOの操作や、Raspberry Pi内のPythonプログラムを実行できるようになります。
WebIOPiのインストール
ラズパイにログインし、適当なところで作業します。今回は~/work配下で作業を行っています。
WebIOPi をダウンロードします。(最新バージョンは 0.7.1 なので、WebIOPi-0.7.1.tar.gz をダウンロードします。)
$ wget https://sourceforge.net/projects/webiopi/files/WebIOPi-0.7.1.tar.gz
ダウンロードしたファイルを解凍し、ディレクトリ移動します。
$ tar xvzf WebIOPi-0.7.1.tar.gz
$ cd WebIOPi-0.7.1
ブラウザで表示するGPIOの表示を修正するパッチを適用します。
$ wget https://raw.githubusercontent.com/doublebind/raspi/master/webiopi-pi2bplus.patch
$ patch -p1 -i webiopi-pi2bplus.patch
セットアップスクリプトを実行します。
$ sudo ./setup.sh
セットアップ画面が「Do you want to access WebIOPi over Internet ? [y/n]」で止まったら、「n」を入力し、エンターキーを押します。
(「y」を入力し、エンターキーを押すと、「Weaved IoT Kit」がインストールされます。)
WebIOPiサービスをsystemctlで操作できるようにするため設定ファイルをダウンロードします。
$ cd /etc/systemd/system/
$ sudo wget https://raw.githubusercontent.com/doublebind/raspi/master/webiopi.service
WebIOPi サービスのStart、Stop、Status、resatart
startでサービスを起動できます。
$ sudo systemctl start webiopi
stopでサービスを停止できます。
$ sudo systemctl stop webiopi
webサーバが起動しない場合はstatusで状況を確認できます。
$ sudo systemctl statu webiopi
restartでサービスの停止と起動をまとめて実行できます。
$ sudo systemctl restart webiopi
動作確認
ブラウザからWebIOPiにアクセスしてみます。
ブラウザからhttp://「Raspberry PiのIPアドレス」:8000にアクセスします。
認証ダイアログが表示されるので、
ユーザー名:webiopi、パスワード:raspberryでログインすることができます。
ログイン後は、WebIOPI Main Menuが表示されます。
「GPIO Header」を選択すると、GPIOピンの状態(OUT/IN)を確認・変更できる画面が表示されます。
該当ピンのINをクリックすると、テスターで電圧の変化が確認できます。